2008年10月26日日曜日

Hairspray

文句なく楽しい。 主演の女の子はよく知らないけれど、30代以降の人達にとってはトラボルタがとにかく面白い。なんたってオッサンのトラボルタが肥満のオッカサン役やってるんだからほっとけない。トラボルタ、歌は下手だけどやっぱダンスは上手。 う―――まさかサタデーナイトフィーバーで主演した時に、30年後に女装でまた踊るとは思っても見なかったでしょう。彼は80年代に入って消えてしまい一体どうしてんだかと思ってたところ、94年くらいになって急に復帰して来たのを覚えています。 今回の映画、舞台は60年代というとオリビアニュートンジョンと競演した「グリース」以来のミュージカルではないでしょうか! 肥満メイクを全身に施してるせいなのかダンスにキレがないけれど、パルプ・フィクション以来の彼のダンスに感激。 加えていつもコワモテのクリストファー・ウォーケンのダンスと歌の上手な事!! それを初めて見られるだけで一見の価値あり。 この映画コメディ仕立てだけど、全体的には60年代の「差別反対」運動をベースにしてます。女性の権利・有色人種の権利・この映画では「肥満者の権利」。つまり「白人で男性でスリムなのが人間の理想の雛形」という、2008年になってもいまだ消えない差別への抵抗です。黒人差別撤回運動は今日でも続いており、私自身頻繁に渡米していた10年前でさえ、その差別の実態を目の当たりにしました。今は当時と比べればかなりいいと思いますが、永遠に続くのでしょう。 ウィル・スミスやテンゼル・ワシントンなど黒人映画俳優の台頭・実際のハル・ベイリーの受賞、オバマ氏の人気など、この10年でさえ人種差別に於いては大きな発展があります。 60年・70年はウーマン・リブという女性蔑視に対する大きな反対運動がありました。この映画の中ではそれら、人種と性別に対する差別を批判しています。女性はなぜ男性の嗜好のためだけに太っていてはいけないのか、人間はなぜ白人でなければいけないのか。 その役を男性のトラボルタにやらせる事に大きな意味があり、また、クイーン・ラティファーにやらせる事も然りでしょう。彼女の存在は大きく、彼女にしてみたら単なる映画の演技では済まされない心境だと思います。(ちなみにこの映画だとラティファーの方がトラボルタより痩せてます) 彼女が素晴しい声量で歌を歌いながら黒人差別撤廃パレードをひっぱって行くシーンは、何度見ても涙を禁じ得ません。圧倒的に希望の予知がない状態で諦めず闘い抜こうとする生物の強さ・美しさに胸を打たれます。 且つ、この映画はコメディーで楽しく、賞を取って当然の素晴しい映画です。人間がありのまま生きる権利を訴えながら、歌と踊りとふんだんなジョークで見るものを楽しませエンターテインメントの世界へいざないます。重くないのに、軽くはない。軽くないのに、重くはない。 社会的な映画は大抵重すぎてしまい、一部の人には見る気を失わせてしまいがちですが、この映画は娯楽映画だと思っているうちに、社会問題を考えられるようになっている、とてもよく出来た映画です。小さい子供にも、何も説明せずにさらっと見せて面白がらせておくのがいいと思います。大人になった時に、この映画が何だったのかがわかる日がくるでしょう。 女装トラボルタ凄い!!

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